復刻版「多羅尾のお絵かき」

去年描いた20号油彩
輝く大気の中で、静かに過ぎる時間を映す。
もう少し筆を入れようと悩んだが、輝きが鈍くなりはじめていたので
製作完了とした。
油彩の匂いが懐かしく、楽しめた。
昔のスケッチをもとにしての画面構成。
下は国産ブランデー瓶に「ポスカ」(顔料系マーカー・筆描き)
で描いたお絵かき。近所の行きつけスナックのボトル








バブル最盛期頃、行きつけのカラオケスナックはいつも30人くらい・・・・
多いときは50人くらいが歌の順番待ち。1曲うたうと次に順番がまわってくるまで2時間(汗)
その間の手慰みに店のボトルに絵を描いた。
棚に並ぶ様になると「1本1万円で描いてくれっ」「私には、ワンちゃん描いてぇ~~」
客の悪意の無い無知と非常識にうんざりし、描くのをやめた。
酷いのになると「油彩を1枚描いてくれやっ!」 「美術家年鑑の一般的最低額で宜しければ」
「いくらぐらいなんだい♪」 「号(はがき大)2万です・・・仮に15号ですと15万」
「!なんだいっ1枚1万ぐらいじゃないのけっ!!」
・・・・・・絵を入れる額縁だって1万じゃ、たいしたモン買えないよなぁ・・・。
以後、一切人前で描くどころか見せるコトも無くなった。描くことさえ、ほとんどなくなってしまった。
この国では、芸術家や音楽家そして才能あるクリエイター達が、その才能で食べていけるなんて
ごく稀な話(笑)キーワードは全て次の一言に尽きるのかも知れない・・・・・
「商売になるかならないか・・・・」
この国を包んでいる目先の利益と成果のみ偏重の「スパイラル」。
個人ではこれは大波に翻弄され、やがては呑みこまれてしまう。やはり「道楽」を極めるしか
道は無いのかも知れない・・・
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